ポエム-生命の賛歌(いのちのさんか)

ある朝の神話その06 青い星と赤い星

それはある晴れた朝のことでした。
青い星と赤い星は今日もおはようのあいさつを交わしました。

二つの星は兄弟でもうずっと長い間一緒に暮らしていました。

二つの星はよく似ていましたが、ただ青い星には海も川もあり生物も生息していましたが、赤い星には岩と砂とほんの少しの水分があるだけでした。

そのせいか赤い星はいつも青い星をうらやんでいました。
でもその日は青い星が不快な顔をしていました。

「おはよう兄さん、どこか具合でも悪いの?」
赤い星が話しかけました。

「うん、最近どうも気分がほぐれないんだ。朝になるとまたやっかいな獣が動き出して私を食い物にどんどんあばれまわる。それを思うと嫌になるんだ。」

「でも兄さんは生物をたくさん飼っているので幸せだといつも言っていたんじゃないか。」

「うん、いままではそうだったけれど、しかしここ何百年の間に急にある獣が繁殖してむちゃくちゃにあばれだしたんだ。一億年前のやつらよりももっとひどい。」

「それじゃあまたその獣に罰を与えるのかい?」
「うん、それで今迷っているんだ。罰を与えるのはかわいそうだし、なんとかおとなしくなってほしいんだけれどね。」

青い星の深刻な顔を見て赤い星はその苦しみがとても大きなものだと知りました。
ある獣の滅亡。青い星はそれを真剣に考えていました。

それはある晴れた朝のほんの小さなできごとでした。

K.M

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