ポエム-生命の賛歌(いのちのさんか)

ある朝の神話その10 神様と天使

それはある晴れた朝のことでした。

ここは真白い雲の上の広い広い世界です。
それはそれは立派なひげをたくわえた神様が
天使をいましめていました。

天使は昨夜夢を運びに下界に降りたとき
一人の少年に夢を与えるのを怠ってしまったんです。
それが神様のお怒りにふれたのです。

神様は天使にたずねました。
「おまえはどうして昨夜その少年に
夢を与えなかったのか?」

天使はひざまずいて答えました。
「神様お許しください。
実は私が運んだ夢はとても悲しい夢で
その子が泣いてしまうと思ったのです。
かわいそうに思えて夢はそのまま持ち帰りました。」

神様は腕を組みしばらく瞑想してからおっしゃいました。
「なるほど、おまえのしたことはある意味で
いいことかもしれない。しかし、その子の長い
将来を考えると必ずしも正しいことではないと思うよ。
人生には悲しいことや苦しいこともたくさんある。
その子もいろいろな経験をつみながら大きくなって
いくんだよ。
その子が強くて丈夫な子に育つためにも我々は
見守ってあげなければならない。
人にはそれぞれ皆その人の運命というものがある。
人は自分自身で自分の道をしっかりと切り開いて
生きていくものだからね。」

「神様、わかりました。どうもすみませんでした。」
天使は頭を下げて反省していました。
きれいな朝日を受け天界は銀色に輝いていました。

それはある晴れた朝のほんの小さなできごとでした。

K.M

ある朝の神話

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