<ポエム>ある朝の神話その4 もんしろちょうと蛾
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それはある晴れた朝のことでした。
一匹の老いた蛾(が)が街灯にもたれて休んでいました。
そこに小さなもんしろちょうが通りかかったんです。
もんしろちょうは言いました。
「おはよう、蛾さん。
とっても気持ちのいい朝ですね。
僕と遊びませんか?」
蛾は眠い目をこすりながら答えました。
「悪いけれど私は疲れている。今から休もうとしていたところだ。」
もんしろちょうは蛾のそっけない態度に少しがっかりしました。
「蛾さん、どうして今から眠っちゃうの?
今日という日は今始まったばかりなのに。」
蛾はさとすような口調で語りました。
「君と私は姿かたちは似ているがまったく別な生き方をして
いるんだよ。
君は昼間動きまわるけど、私は夜起きて朝になると眠るんだ。
私の一日は終わったばかりだよ。」
驚いて聞きいるちょうに蛾はさらに続けました。
「私は闇に中に一条の光を求めるのが夢なんだ。
君は君で明るく生きなさい。
さあ、夢を求め明日に向かってとんで行きなさい。」
もんしろちょうは蛾の言っていることが少しわかった
気がしました。
「わかりました蛾さん。ありがとうございます。
おかげで新たな希望がわいてきました。」
そういうともんしろちょうは飛び去って行きました。
笑みをたたえたまま蛾はそっと街灯の明かりを見上げました。
うすあかい空にまだひっそりと街灯はついていました。
それはある晴れた朝のほんの小さなできごとでした。
K.M
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