<ポエム>
ある朝の神話その13 おじいさんと小犬


それはある晴れた朝のことでした。

ある田舎町に住む小さな家に一人暮らしのおじいさんと
かわいい小犬のポチが暮らしていました。

おばあさんが亡くなってからもう長い間二人だけの生活です。
おじいさんにはポチと行く毎朝の散歩がそれはそれは
楽しみでした。

ところがその朝はいつもは元気に尾を振って待っているポチ
の様子がおかしいのです。
おじいさんが近づいても横たわったまま起きてこないのです。

「ポチどうしたんだ。」
おじいさんは驚いてポチを抱き上げました。
いつもはかわいく返事をするポチですがもう声も出ないのです。
ポチの体はすでに半分冷たくなっていました。

ポチはかろうじて薄目を開けておじいさんを見上げました。
その眼はやさしくとてもおだやかでした。

「ポチ、しっかりするんだ。ポチ!」
おじいさんは大きな声でポチに話しかけ体を抱きしめます。
「ポチ!ポチ!・ポチ!・・」
おじいさんはなんどもなんどもポチの名前を呼び続けました。

でも静かに閉じたその目が二度と開かれることはありません
でした。
ポチはその最期をおじいさんに会える朝まで待っていたのです。

おじいさんにはポチが笑っているように見えました。
ポチは長い間大切に育ててくれたおじいさんにきっとお礼を
いいたかったのでしょう。

おじいさんはポチを抱いたまま語りかけます。
「さようならポチ。今まで本当にありがとう。」
おじいさんの目には大粒の涙がたくさんあふれていました。

それはある晴れた朝のほんの小さなできごとでした。


K.M

ポエム-生命の賛歌(いのちのさんか) 一覧へ

TOPへ

ペット葬儀・霊園検索

ペットが亡くなったときは

ペット火葬のいろいろ

ペット火葬・葬儀のあとに

twitter