ペット葬祭の新事業 FCで展開 自動車販売・レンタカーのカーベル

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SankeiBiz

2017.9.1

自動車に搭載されたペット用の火葬炉。ダイオキシンなどの有害物質やにおい、煙も出さない
自動車に搭載されたペット用の火葬炉。

 自動車販売・レンタカー事業を手掛けるカーベル(東京都中央区)は10月から、ペット葬祭事業をフランチャイズ(FC)で全国展開する。国内の新車販売台数が低迷し、若者の車離れが止まらないことから、新たな事業の柱として育成する。料金を明瞭化して接客などのサービス水準を引き上げることで、ペット愛好者への認知度を高める。初年度の葬儀受け付けは3000件、2年目には1万件、3年目には2万5000件になるとみている。

 ペット葬祭「ペットの旅立ち」はインターネットか専用フリーダイヤルで受け付ける。予約日時に火葬炉を搭載した自動車で訪問する。納棺して焼香などのセレモニーを執り行ったあと、出棺して火葬する。遺骨は骨壺に収めて覆い袋に包み、飼い主に手渡す。

火葬のみの「旅立ちプラン」、セレモニーも行う「旅立ちセレモニープラン」、手厚いセレモニーと飼い主がお骨上げをする。

「旅立ちプレミアムプラン」の3コースがある。料金は1万2000円から。

ペットを亡くした同社の従業員が葬儀をしようとしたところ、3日間待たされたことを聞いた伊藤一正社長が市場の有望性に注目。移動火葬車を活用するため、自社の自動車事業との親和性も高く、参入を決めた。

国民生活センターによると、既存のペット葬祭の利用者は業者に対し、「法外な料金を請求された」「ペットに哀悼の意を表さない」といった不満を抱いているという。そこで同社ではペット葬儀事業責任者に、民間資格である動物葬祭ディレクターを取得させた。また、担当者には3日間の研修を義務づけている。マニュアルも作成し、制服と名札も着用する。「人間と同じように丁重に送る」ことをコンセプトに運営。利用者のアンケートによると99%が満足感を示している。

 昨年6月から東京本社で試験的に運用を始め、4月から自社の自動車販売・レンタカー店の一部で展開を開始。これまでに12拠点で営業している。今後は葬儀社、運送業、ペットショップ、ペット病院などに対し、FC加盟を働きかけ本格的な全国展開に乗り出す。1年後には50店、2年後は100店の展開を目指す。伊藤社長は「店舗運営で培った丁寧な接客と心のこもったサービスで、ペット葬儀業界の地位を向上させたい」と話している。